2010/03/09

パリ#2 Fashion People

今回は今後ヨーロッパ拠点を置く為の視察と、今まで自分が創ってきた作品に対するフランス人(ヨーロッパ人)の反応を知る為と、個人的なプロジェクトの新作を撮る為に行って来たのだけど、まぁそれはいいとして、今日はfashion peopleについて少し書こうかな。


やはりショーを見るにはInvitationが必要不可欠なのだけど、中には得意客が来ない場合に入れてくれるブランドもあってそれ狙いで会場の外は大体人でごった返している。
で、3月5日はVivian Westwood、Lanvin、Martin Margielaのショーがひとつの会場で連続に行われるとあって、かなりの数のPhotographerやPress、Buyer、Fashion People、胡散臭いシンガポール系チャイニーズ、アル・パチーノみたいなイタリアン・マフィア、ハイヤーの横にダブルのスーツで立つアラブ人、常に2〜3人で行動する身長150cm代の顔と身体のバランスの悪い日本人観光客、モデル並みの容姿を持ったひたすら独りで何かを待ってる女、どう見ても観光客にしか見えないのにマルジェラの招待状を持っているおばさん二人などが入り乱れていた。
その中でとりわけ気持ちが悪いのがファッション・ピープル(以下FPと略)で、大体2人〜5人くらいで徒党を組んで、別のFPの写真を撮ったり、色んな奴らの写真を撮ったり、何となくウロウロしたりしているのだけど、外部とはあまり会話をせず、大概は連れとベチョベチョやっていた。
連中は原宿や代官山で見かける奴らと服装も雰囲気も行動も全部一緒で、大概ベチョベチョやっている。
その中には日本人のFPも混じっていて、明らかに自分を撮ってくれと言わんばかりの格好でウロついていたけど、最初入って来た時に一瞬人だかりが出来ただけでその後は完全に無視されていた。
そいつはひどく背の低いブスの森三中の村上にそっくりな同じ日本人の女と来ていたのだけど、その女はいつの間にか消えていて、そいつは本当に独りぼっちで会場の周りをウロウロしていた。
FPはどうして他のFPとあまり仲良くなろうとしないのだろう。
彼らの背中にはこんなにもファッションを愛しているのにショーを見られない自分への絶望感と、それでも自分は今パリコレに来ていてモードのど真ん中に居るんだというプライドと、気温0度の外気の中で春物を着て来た事への後悔がグルグルと浮かんでは消えていた。
俺はそのFPでごった返す場外の少し脇で犬と一緒に毛布にくるまっているホームレスの男との(二重の意味で)コントラストの強い映像がなんとなく滑稽で少し可笑しかった。


俺はファッションとは様々なスタイルの事だと解釈しているので、表装的な部分には興味がないし、服は好きだがファッション好きは嫌いだ。
そしてスタイルとはその人間個人の生き方の問題で、それが服装に現れる。
ホームレスの格好は汚れているがグランジだし、パンクだし、あれはあれでエレガントだとも思う。
俺が見た会場内に入れないFPたちは皆同じに見えた。
それは表面的な服の問題ではなく、きっと彼らの生き方が似ているからだろう。
ファッションが好きで、その中に居る自分が大好きなのだ。
連中の持つ湿度はフランスの湿度とは全く異質で、日本的でベチョベチョしていた。





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